先ず，一つの単位Ｕ0 を「基準単位」の身分で特別化し，あわせて単位の系列
を固定します。また,「空位記号」，区切り記号，そしてＵ0の係数をマークするための記号を，それぞれ一つ任意に導入します。
Ｕj → ････ → Ｕi であることを Ｕi
Ｕj で表わすことにします。
このとき，組合せ表現：
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Ｕi1×ｋ1＋Ｕi2×ｋ2････＋Ｕij×ｋj
（Ｕi1 Ｕi2 ････ Ｕij；
ｋ1,････,ｋj：自然数）
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をつぎの表現に替えることができます：
- Ｕ0Ｕi1 のときは，Ｕ0→Ｕ1→ ････ →Ｕij の各々の係数を，区切り記号で区切りつつこの順序で列ねる．
- Ｕi1Ｕ0Ｕij のときは，Ｕi1→Ｕ(i1)+1→ ････ →Ｕij の各々の係数を，区切り記号で区切りつつこの順序で列ねる．
- Ｕi1Ｕ0 のときは，Ｕi1→Ｕ(i1)+1→ ････ →Ｕij→ ････ →Ｕ0 の各々の係数を，区切り記号で区切りつつこの順序で列ねる．
- Ｕi1,････,Ｕij と異なるＵk の係数は，空位記号とする．
- Ｕ0 の係数に，Ｕ0 の係数であることをマークする記号を付す．
例えば，空位記号と区切り記号をそれぞれ 0 とコンマとし，Ｕ0 の係数を赤色にすれば，組合せ表現と表記の対応は例えばつぎのようなぐあいになります：
| a. | U1×12 | ＋ | U3×3 | |||||||||||
| b. | U-1×12 | ＋ | U1×3 | |||||||||||
| c. | U-2×12 | ＋ | U0×3 | |||||||||||
| d. | U-3×12 | ＋ | U-1×3 | |||||||||||
| a. | 0 | , | 12 | , | 0 | , | 3 | |||||||
| b. | 12 | , | 0 | , | 3 | |||||||||
| c. | 12 | , | 0 | , | 3 | |||||||||
| d. | 12 | , | 0 | , | 3 | , | 0 | |||||||
基準単位の係数に対するマークと空位記号は，
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表記の中の各自然数が，《基準単位の係数である自然数の右／左にいくつ目》かによって，どの単位の係数であるかがわかる
最小単位あるいは最大単位が決められているときには,《基準単位の係数》の記号は要らなくなります。実際，最小[最大]単位の係数である自然数は，それの位置──左/右端──で既に示されているからです。
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例えば，単位の時間，分，秒をこの順番に順序づけて，単位の係数を単位の順序に並べる（区切り記号は,「，」のかわりに「：」を使う）ことに決めれば,「14:36:20」に対し「14時間36分20秒」と読めることになります。
この量表現──《要素の各自然数に対しそれを係数とするところの単位が補われて読まれる》量表現──を,「位取り表現」と呼ぶことにします。
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実際，この表現では，要素の自然数に補われて読まれるところの単位は，その自然数の〈位〉として機能しているわけです。
量の位取り表現は，一意的組合せ表現に応ずるとき，一意的表現になります。